外国人の雇用

(平成24年7月修正)

日本国籍ををもたない外国人を貴社で採用するには、外国在住の外国人である場合、まず外国人の経歴等と貴社で従事する業務内容が就労できる在留資格にあてはまるかどうかを検討しなければなりません。すでにいずれかの在留資格で日本在住である外国人の場合、許可されている在留資格の範囲内で貴社の業務に従事できるかどうか、確認することが必要です。

日本で働くことができるのは、以下にあてはまる外国人です。

日本で働くことのできる外国人

(A)就労系の在留資格
各在留資格に定められた範囲内の就労が可能です。

在留資格 該当範囲と例 在留期間
外交 外国政府の外交使節団、領事機関の構成員等とその家族。 外交活動の期間
公用 外国政府もしくは国際機関の職員等とその家族。 5年、3年、1年、3ヶ月、30日、15日
教授 大学やそれに準ずる機関での研究や研究の指導・教育を行う者。大学教授等。 5年、3年、1年、3ヶ月
芸術 収入を伴う音楽、美術、文学等の芸術家。作曲家、画家、作家等。
宗教 外国の宗教団体から派遣された宗教家。宣教師等。
報道 外国報道機関の記者・カメラマン。
高度専門職1号 研究活動、人文科学分野や技術を要する業務、貿易や経営に従事する者で、高度人材として法務省令で定める基準に適合する者 5年
高度専門職2号 高度専門職1号として3年以上業務に従事した者 無期限
経営・管理 外国法人もしくは日本法人、日本支店等の経営者・管理者。 5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月
法律・会計業務 外国法事務弁護士、外国公認会計士。 5年、3年、1年、3ヶ月
医療 医師、歯科医師、看護師。
研究 政府機関・企業における研究者。
教育 小学校・中学校・高等学校・専門学校等の教師。(語学学校の先生などは「人文知識・国際業務」に該当)
技術・人文知識・国際業務 理学・工学・自然科学等の分野に従事する業務や、法律学・経済学・社会学の専門分野に従事する業務や外国文化と関連の深い業務。
技術者、ITプログラマ・エンジニア、ソフトウェア開発者、翻訳・通訳や海外取引業務、服飾等のデザイナーや商品開発者、私企業の語学講師等。
企業内転勤 外国の法人・企業から、日本国内の営業所や日本国内の子会社への転勤のうち、「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動に従事するもの。
介護 介護福祉士
興行 演奏者、演劇者、俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など。 3年、1年、6ヶ月、3ヶ月、15日
技能 特殊分野や外国特有の製品や食品等の製造に従事する業務。パイロット、外国工芸の職人、外国料理の調理師(シェフ)、スポーツ指導者など。 5年、3年、1年、3ヶ月
特定技能1号 法務大臣が指定する業務に従事する外国人。 1年、6ヶ月、4ヶ月
特定技能2号 3年、1年、6ヶ月
技能実習1号 技能実習生。技能実習計画に基づき講習をうけながら技能にかかる業務に従事する活動。 法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない)
技能実習2号・3号 法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない)

(B)身分または地位に基づく在留資格
就労に制限がなく、どのような職種でも就労することが可能です。

在留資格 該当範囲と例 在留期間 就労可否
永住者 法務大臣が永住を認める者 無期限
日本人の配偶者等 日本人の配偶者もしくは民法第807条の2の規定による特別養子または日本人の子として出生した者。 5年、3年、1年、6ヶ月
永住者の配偶者等 永住者・特別永住者の配偶者、永住者等の子で日本で出生しその後引き続き日本に在留している者。
定住者 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者。
日系2世、3世や、日本人・永住者・特別永住者と離婚または死別した者など。
5年、3年、1年、6ヶ月もしくは法務大臣が個々に指定する期間

(C)資格外活動許可の範囲内で就労可能となる在留資格
短期滞在以外の以下の在留資格で、資格外活動許可の範囲内で就労が可能となります。

在留資格 該当範囲と例 在留期間 就労可否
文化活動 日本文化(日本舞踊、茶道、生花、日本画、禅、雅楽、三味線、尺八、習字、そろばんなど)学習者や研究者、日本由来の格闘技(空手、剣道、柔道、日本発祥の総合格闘技など)の練習生など。 3年、1年、6ヶ月、3ヶ月 不可 、ただし資格外活動許可を取得すればその範囲内での就労が可能
家族滞在 在留資格者の配偶者や子。 5年、4年3ヶ月、4年、3年3ヶ月、3年、2年3ヶ月、2年、1年3ヶ月、1年、 6ヶ月、3ヶ月
留学 大学・短期大学・高校・専修学校、中学校・小学校への留学生。 4年3ヶ月、4年、3年3ヶ月、3年、2年3ヶ月、2年、1年3ヶ月、1年、6ヶ月、3ヶ月
研修 政府機関・企業の技術訓練者、研修生。 1年、6ヶ月、3ヶ月
短期滞在 短期間滞在の観光・講習・会合への参加者や親類訪問者。 90日、30日、15日 不可

(D)特定活動で滞在する外国人
指定書に記載の内容により、就労が可能です。

(E)いわゆる在日韓国人等の特別永住者
日本国籍ではありませんが活動に制約を受けませんので、日本人と同様に雇用することができます。

外国人を雇う際のポイント

外国人の雇用を検討する場合は、雇用しようとする外国人本人の学歴、資格、経験が申請する在留資格の要件を満たしているか検討することも大切ですが、労働条件などについてもきちんと話し合い、相互に誤解がないようにしておく必要があります。

もちろん、雇用主側も体制を整えておかなければなりません。在留資格の申請等で雇用主の規模(会社であるか、個人事業であるか等)や雇用の形態(正社員か、契約社員か等)などは審査の対象とはなりませんが、

  • 雇用主の実体はあるのか
  • 経営は安定していてきちんと給与が支払える状態なのか
  • 雇おうとする外国人に対して、同じ業務に従事する日本人と同等額以上の報酬を支払うかどうか
  • 事業主の事業内容は、雇おうとする外国人が行う業務を含むと認められるものなのか

などは審査されます。

また、社会保険や労働保険の手続きだけでなく、雇用後の在留資格の更新・変更等の手続きも、随時行う必要があります。

ポイント1 在留資格・在留期間をチェック

まずその外国人が日本国内で働くことができる在留資格をもつ(もつことができる)のか、在留期間は残っているのかを確認しましょう。
>> 在留資格の種類
>> 資格外活動許可
>> 就労資格証明書

ポイント2 雇用契約を結ぶ

働こうとする外国人自身が日本国の労働法や、日本の労働慣習についてわからないのでトラブルとなるケースがあります。外国人にも日本の労働基準法が適応されますのでその内容や労働条件について説明し、外国人に理解しておいてもらうことは重要です。

また、雇用する外国人に対しては、同じ業務に従事する日本人と同等額以上の報酬を支払わなければなりません。特に労働時間や金銭に関することは、十分に話し合い、雇用契約を結びましょう。

ポイント3 社会保険の手続き

外国人の場合も、健康保険や厚生年金といった社会保険、労災保険や雇用保険といった労働保険が適応されますので、日本人の雇用と同様、手続きが必要です。

なお、外国人の年金保険には脱退一時金の制度(脱退一時金のページへ)があります。海外で支払った年金が通算されない国からの外国人である等といった場合には、帰国後に所定の手続きをすることで、日本で支払った年金分の脱退金を受け取ることが可能ですので、こういった制度のことも説明した上で、社会保険に加入してもらうといいでしょう。

ポイント4 雇用状況に関する届出・報告

雇用主は、外国人の雇用を開始する時および終了する時には、入管に「中長期在留者の受入れに関する届出」を提出するよう努めることとされています。中長期在留者の受入れを開始または終了した日から14日以内に提出します。
>> 中長期在留者の受入れに関する届出

また、事業所における毎年6月1日現在の外国人雇用状況を、ハローワークへ報告する協力が求められています(外国人雇用状況報告制度)。これは、不法就労者および雇用主の摘発を目的とするものではなく、あくまで外国人労働者の失業予防や再就職促進、雇用管理改善を促進するための実態調査です。

ポイント5 雇用後の入管に関する各種手続き

雇用前だけでなく、雇用後に必要になってくる手続きがたびたび発生します。一時帰国させる際の再入国許可や、在留期間前に在留資格の更新を行う必要があります。どの手続きも期間を過ぎてしまうと取り返しのつかないことになりかねないので、注意する必要があります。
>> 再入国許可申請
>> 在留資格更新許可申請

また、就労系の在留資格の外国人は、所属機関に変更があった場合(雇用・契約の開始時および終了時でなく勤務地の移転なども含む)は所属機関・契約機関に関する届出が義務付けられています。外国人自身がこの届出について知らないこともあるので、雇用主としてご案内していただくといいでしょう。
>> 所属機関に関する届出

外国在住の外国人を日本へ雇い入れる

外国に在住している外国人を日本の会社が雇い入れるためには、その外国人が日本で従事することになる業務の内容に応じた在留資格認定証明書(認定書、Certificate of EligibilityまたはCOE)の交付申請を申請人(外国人)の予定勤務地を管轄する出入国管理局で行います。認定書が発行された後、外国人が居住する在外日本大使館・領事館で、日本に入国するためのビザの発給を受けます。
>> 在留資格認定証明書交付申請

採用を決定するまでに、専門家に相談するなどして、外国人が従事する業務は在留資格にあてはまるものであるのか、その外国人が在留資格の要件を満たしているのかを十分確認してから進めるといいでしょう。

すでに在留資格をもつ外国人を雇用する

就労に制限のない在留資格(永住者、特別永住者、日本人/永住者の配偶者等、定住者)である場合には、従事する業務にかかわらず雇用することができます。

それ以外の在留資格の外国人を雇用する場合には、現在の在留資格や資格外活動で許可されている業務の範囲内であればそのまま雇用することが可能です。
(例)英会話スクールの教師が転職し、翻訳会社に勤める。
ただし、現在の在留資格の在留期間満了日まで残り6ヶ月未満である場合には、在留資格更新許可申請を行ってください。
>> 在留資格更新許可申請

在留資格で許可されている業務に該当するかどうか不明な場合は、入管または専門家へ相談するか、もしくは就労資格証明書の交付を受けるといいでしょう。
>> 就労資格証明書

採用しようとする外国人の現在の在留資格と、採用後の職種・業務に該当する在留資格とが異なる場合には、在留資格変更許可申請が必要です。
(例)中学校・高校の英語教師が英会話学校へ転職する場合:教育技術・人文知識・国際業務
>> 在留資格変更許可申請

留学生の採用

在学中の留学生をアルバイトとして雇う
風俗営業に関する職種以外であれば、勤務先を限定することなく、定められた時間内のアルバイトをすることが可能です。
>> 資格外活動許可

就労可能時間は次のとおりです。

留学生の種類 就労可能時間
通常
就労可能時間
長期休暇中
大学等の正規生 28時間/週 8時間/日
大学等の聴講生・研究生 14時間/週 8時間/日
専門学校生 28時間/週 8時間/日

留学生を正社員として採用する
日本の大学等を卒業予定で就職活動中である外国人留学生が日本で就職するには、就職先が決定(内定)した後に在留資格の変更をする必要があります。

外国人留学生採用の際には、留学生の学歴や経歴等が、採用後従事する職種にあたる在留資格の要件を満たせているかどうか等、十分確認しなければなりません。留学生の学歴等と採用後の職種の関連性が高いと認められた後に採用を決定(内定)し、在留資格変更許可申請の手続きをすすめていきます。
>> 在留資格変更許可申請

2月・3月は卒業シーズンですので入管が混み合い、入管の審査完了まで1~2ヶ月かかりますので、なるべく早めに手続きの段取りを整えて下さい。

外国人雇用に関する罰則と注意点

就労可能な在留資格をもっていなかったり、在留期間が切れている外国人が働いている場合は不法就労となります。不法就労である場合は、不法就労した本人だけでなく、雇った側も罪に問われることがありますのでご注意下さい。

雇った側の罰則と注意点

入管法上、不法就労助長罪が定められています。不法就労をさせた事業者は3年以下の懲役または300万円以下の罰金もしくはその併科が科せられます。

不法就労ということを認識していなかったとしても、その状況から見て不法就労の可能性があるにもかかわらず、確認をしないであえて雇用していたような場合は罪に問われることがあります。 罪に問われないためにもパスポートや在留カードなどにより、在留資格と在留期間を確認しましょう。就労資格証明書は、その外国人の方が働けるのかどうかを確認するのに有効な手段です。
>> 就労資格証明書

不法就労した側の罰則と注意点

働くことができない在留資格で働くと強制退去や刑事罰の罪に問われます。文化活動、留学、家族滞在の在留資格の方は本来働けませんが、資格外活動の許可を取れば、本来の在留資格の活動を阻害しない範囲で働くことができます。

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