海外在住の外国人が日本に入国するためには、「ビザ」が必要です。

日本に入国し滞在する「ビザ」は大きく2種類に分かれます。短期滞在長期滞在・就労目的です。
短期滞在と長期滞在・就労目的での滞在では手続きが異なります。

実は、ビザ(査証・VISA)は入国するために交付される「入国ビザ」を指し、日本に中長期滞在するためには在留資格が許可されていることが必要です。ただし、実務上、ビザと在留資格はたびたび混同して使用されています。

このページでは、日本に滞在するための必要な基本的な手続きや、日本の入国管理制度の概要についてご説明いたします。

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ビザ(VISA・査証)と在留資格

日本で就労や長期滞在したい外国人は、日本の出入国在留管理局(入管)で認定された特定の在留資格の認定を受けなければなりません。この在留資格のことを一般にビザと呼ぶことも多いですが、正しくは「ビザ」は日本に入国するために在外公館(海外の日本大使館・領事館)で申請するものであり、就労や長期滞在を許可する「在留資格」とは異なります。ですので、就労ビザや配偶者ビザという「ビザ」は、正確には存在しません。ただし、実務上、ビザと在留資格はたびたび混同して使用されています。

在留資格は活動目的に応じて30種類以上あります。外国人が日本で就労・長期滞在するには、日本での活動内容や滞在目的が特定の在留資格にあてはまっていて、その在留資格の要件を満たしていなければなりません。在留資格の認定は日本国内の出入国在留管理局で申請します。

弊所ウェブサイトでも在留資格を指す場合にも、便宜上、ビザと記載していることがございます。悪しからずご容赦ください。

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ビザの種類

短期滞在

日本への観光や、日本にいる親類・知人の訪問、収入が発生しない商用での出張(会議や市場調査、展示会・博覧会などへの出席など)のために短期間日本に滞在するには、海外の日本大使館・領事館で「短期滞在ビザ(入国ビザ)」を申請して、ビザの発給を受けて入国します。短期滞在ビザは日本国内の出入国在留管理局へ申請するものではありません。また、日本国内に居ながら、海外の日本大使館・領事館へ短期滞在ビザを申請することはできません。

例外的に、短期滞在ビザが免除されている国(ビザ免除国)があります。免除されている期間等は各国で異なります。ビザ免除国および短期滞在ビザの申請方法については、以下の外務省のウェブサイトをご確認ください。

外国人を日本に短期滞在ビザで呼び寄せたい場合には、呼び寄せる外国人(申請人)の居住する日本大使館・領事館へお問い合わせください。

就労・長期滞在

海外在住の外国人が就労・長期滞在のために日本に滞在するには、滞在目的に応じた在留資格が許可されていることが必要です。

まず日本国内の申請代理人(ビザスポンサー)を通じて申請代理人の所在地を管轄する出入国在留管理局(入管)へ、活動内容・滞在目的に応じた在留資格の認定証明書の交付申請をします。これを在留資格認定証明書交付申請(認定申請/COE申請)といいます。日本に滞在できる期間(在留期間)は、提出した資料をもとに入管が決定します。招聘人は、交付された認定書を海外在住の外国人本人へ郵送します。

申請人である外国人は認定書を受け取った後に、居住する国の日本大使館・領事館にて認定書を提示して入国ビザの申請をします。入国ビザが交付されると、認定書と共に日本に入国することが可能になります。入国した日本の空港で「在留カード」が発行されます。

在留カードの交付後は、許可された活動や身分に基づく在留資格で在留期間満了日まで日本に滞在することが可能です。在留期間中に旅行や出張などで海外に渡航して日本に再入国したい場合には、再入国許可もしくはみなし再入国許可を取得します。

在留期限満了後も引き続き同じ活動を日本で行いたい場合は、在留期間更新許可申請をして在留期間を更新することができます。。また、日本滞在期間中に他の在留資格にあてはまる活動に変更したい場合には、在留資格変更許可申請をすることも可能です。

また、在留カードが交付された外国人は在留資格に関する手続きだけでなく、日本の中長期滞在者として、住民登録など必要な行政手続きをしなければなりません。

>> 在留資格とは?

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在留資格認定証明書(COE)交付申請

日本で就労や長期滞在を希望する外国人は、日本に入国前にあらかじめ、日本で行いたい活動等にあてはまる在留資格の認定を申請します。これを在留資格認定証明書交付申請(認定申請)といいます。認定証明書はよく「認定書」や「COE」と言われており、通常は、この認定書の交付を受けてから日本に入国します。

日本の出入国在留管理局(入管)に申請をするものですので、通常は、在留資格に応じた申請代理人(ビザスポンサー/外国人を受け入れる就職先や親類等)が申請人である外国人に代わって申請します。

在留資格に該当しない活動を日本で行うことはできません。日本で行う活動等が特定の在留資格に該当し、その要件を満たしているか十分確認した上で、申請する必要があります。

>> 在留資格認定証明書(COE)交付申請

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在留カード RESIDENCE CARD

日本に中長期滞在する外国人には、在留資格や在留期限満了日が記載された在留カード(Residence Card)が入管から交付されます。このカードが交付された外国人は、在留期間中はカードを携帯しなければなりません。

特定活動などの在留資格の場合には、活動を指定する「指定書/DESIGNATION」がパスポートに綴じられます。この指定書には、活動内容や所属機関等の詳細が記載されています。

>> 在留カード/RESIDENCE CARD

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申請代理人/VISA SPONSOR

申請代理人は、海外に居住する外国人に代わって、日本の入管に認定申請を行う代理人のことを指します。外国人の間では「VISA SPONSOR(ビザスポンサー)」と表現されることも多いです。

申請人(在留資格を申請する外国人本人)が日本にいない場合、日本に申請代理人がいないと在留資格認定証明書交付申請(認定申請)をすることができません。申請代理人になることができる人は、申請する在留資格によって異なります。

申請代理人になれる人

  • 就労系の在留資格の場合:申請人を雇用する機関の代表者(雇用主)および従業員
  • 留学や文化活動等の場合:申請人を受け入れる機関の代表者および従業員
  • 身分系の在留資格の場合:申請人の配偶者、実親および親族など

なお、行政書士は申請人もしくは申請代理人からの依頼を受けて申請を取り次ぐことができますが、依頼者の申請代理人にはなれません。

日本に滞在する申請代理人がいない場合、申請人自身が申請のために短期滞在で来日して、管轄内の入管に申請する必要があります。

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身元保証人/GUARANTOR

日本人の配偶者等・定住者等などの身分または地位に基づく在留資格(>> 在留資格一覧のページへ)を取得・更新・変更する場合、身元保証人を求められることがあります。

いわゆる就労ビザにあたる、就労を目的とした在留資格(技術、人文知識・国際業務、技能、経営・管理等)については、身元保証人を求められることはありません。

身元保証人の役割

入管法上の身元保証人は、民事法上の債務保証等の責任を負うものではなく、以下の3つの責任を負うものです。

  • 当該外国人が日本での滞在費を支払うことができないときは負担をすること。
  • 当該外国人が日本から帰国旅費を支払うことができないときは負担をすること。
  • 日本国法令を遵守させること。

要は、日本に滞在しようという外国人に対して、その外国人が困った時に「助け舟」を出せる人間かどうかということです。身元保証人に責任遂行能力が無いと判断された場合には、申請人の入国や在留の許可が下りないこともあります。

身元保証人には、身元保証人がサインした身元保証書や身元保証人の身分を証する資料(例 日本国運転免許証のコピー、住民票写しなど)が求められます。以前と異なり、収入を証明する資料(例:源泉徴収票、課税・所得証明書、納税証明書、在職証明書など)は必須でなくなりました。

身元保証人の要件

身元保証人は、申請時に日本に居住している日本人および永住者であることが必要です。

収入や地位・資格などの要件はありません。また身元保証人の人数も決まっていません。ただし、日本在住者としての義務を果たしていて、いざというときに申請人を助けることができる、申請人との関係を示せる方が望ましいです。

  • 永住申請の場合:申請人の親、親類、雇用主、上司、同僚、友人などのうち、日本に居住している日本人もしくは永住者
  • 配偶者や子として日本人の配偶者等および永住者の配偶者等の申請をする場合:申請人の日本人配偶者や日本人親
  • 日系3世として定住者の申請をする場合:申請人の親、親類、雇用主などのうち、日本に居住している日本人もしくは永住者
  • 日系2世もしくは3世の配偶者として定住者の申請をする場合:申請人の配偶者
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入管への各種申請・届出

在留カード取得後は、在留資格所持者に求められている届出や、日本居住者としての義務を遂行しなければなりません。

在留カード所有者が入管に対して行わなければならない主な手続きは、以下のようなものがあります。

  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 再入国許可申請
  • 所属(契約)機関に関する届出

その他の入管に対する申請や届出については、以下の出入国管理局のウェブサイトでご確認ください。

>> https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/index.html

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