短期滞在以外の目的のために日本で滞在するには、日本で行いたい活動が特定の在留資格にあてはまっていなければなりません。また、在留資格の許可の基準や要件を満たしていることが必要です。
日本の出入国在留管理局(入管)は、申請人である外国人の在留資格の該当性を総合的に判断し、審査の結果、申請人に在留資格と特定の在留期間を決定します。
日本の入管手続きは、初めての方には複雑だと思います。
入管手続きが初めての場合は、以下のページで手続きの概要をご確認ください。
>> はじめに:入管手続きの概要
まだ申請人となる外国人が海外在住である場合で、日本で特定の活動をするために在留資格を申請したい場合は、日本の招聘人(企業・個人)を通じて認定証明書(COE)交付申請を行います。
>> 在留資格認定証明書交付申請
許可の基準
外国人が日本で滞在することができるのは、日本に滞在することが適当だという理由が認められた場合に限り、法務大臣によって許可されるものです。
この「理由」の基準は、申請者の行う活動・在留状況・経済的能力・日本に滞在することが適切かどうか等により総合的に判断されますが、まずクリアしておかなければならないのは以下の7つの点です。
※平成22年(2010年)4月1日から、申請時に保険証の提示を求められるようになりましたが、入管は「保険証を提示できないことで在留資格の変更または更新を不許可とされることはない」としています。
(1) 申請人である外国人が日本で行おうとする活動が特定の在留資格に該当し、申請人を呼び寄せる招聘人が日本に存在すること。
入管は申請人が日本に来るための具体的な理由や目的が明確であり、かつ該当する在留資格の要件を満たしていると認定した場合のみ、在留資格を許可します。
申請人が日本に滞在する必要や意思が認められない場合は、在留資格を許可しません。また、複数の在留資格を申請することはできません。
現時点でいずれかの在留資格の在留カードをもっていない場合には、永住許可の申請をすることはできません。
申請人は、日本の招聘人(ビザスポンサー)を通じて在留許可を申請します。招聘人がいない場合には、在留資格を申請することができません。
>> 招聘人(ビザスポンサー)とは
>> 在留資格認定証明書交付申請
まだ海外在住の外国人で、日本で事業を始めたい、新規に会社を設立して経営活動を行いたい方については、始めたい事業形態や会社の詳細を先に決定する必要があります。事業を行う事務所を確保すること(バーチャルオフィスは不可)や法人登記などは、認定申請より先に行わなければなりません。また、新設会社の場合でまだ日本に代表者や従業員がいない場合には、申請人自身が短期滞在で日本に来日して、認定申請を行う必要があります。申請書に署名する招聘人が日本に誰もいないと申請できません。
(2) 申請人および申請に関係する状況が、該当する在留資格の要件を満たしていること。
申請人が、特定の在留資格の要件を満たしていることが認められた場合のみ、入管は在留資格を許可します。
>> 在留資格の種類
在留資格の申請には、申請人が日本で行いたい活動が特定の在留資格に該当しており、その在留資格の要件を満たしていることを書類で証明していかなければなりません。入管は基本的な必要書類を開示していますが、各申請人の状況に応じた書類を提出することが重要です。同一の在留資格を申請する方々でも、誰一人、バックグラウンドや日本の活動内容、招聘人などすべての状況が全く同一な方は存在しません。また、書類を準備する際には、世界各国が制度、規則、書式が異なることを理解して進めていくことが重要です。外国語の文書には、日本語訳の添付が必要です。
また、申請書類や添付書類を偽造したり、虚偽の申請を行おうとはしないでください。虚偽の申請をしても、提出した書類を全て確認すると辻褄が合わない箇所が見えてくるので、おそらく簡単に見破られて不許可になります。また、入管も行政書士も、賄賂などを受けて虚偽の申請を許可することは絶対にしません。
(3) 素行が不良でないこと
申請者の外国人の素行について「良好でない場合には消極的な要素として評価される」とされています。具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分をうけた行為や不法就労をあっせんする行為等を行った場合には、素行が不良だと判断されることになります。
(4) 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
申請人である外国人が、公共に負担をかけることのない生活状況であり、また将来的にも十分安定した生活が見込まれることが求められます。もし公共の負担となっている場合であっても、在留を認めるべきだと判断できる理由がある場合は、その理由を十分考慮して判断されることとなります。
(5) 雇用・労働条件が適正であること
日本での就労には、アルバイトを含め、その雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。ただし、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合には、通常は申請人である外国人には非がないため、その点を考慮して判断されます。
(6) 納税義務を履行していること
申請する外国人に納税義務がある場合には、正しく納税していることが求められます。納税義務の不履行により刑を受けている場合や、高額・長期間の未納などがある場合には、許可の判断の消極的な要素となります。
(7) 入管法に定める届出等の義務を履行していること
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人の方(在留カードが交付される方)は、在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。
>> 在留・入管手続き